私の物語
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Godfrey&c のはじまり
静かな朝、鏡の前で微笑みながらジュエリーを身につける母の姿——それは、私の心に深く刻まれた記憶でございます。
私はシンガポールとマレーシアで育ち、(2007年)18歳で来日いたしました。多言語環境に育ち、日本では百貨店やラグジュアリーブランドでの勤務を通じて、“東洋の美”への深い敬意を育んでまいりました。
人生最大の転機は、母の死でした。コロナ禍、両親が隠していた病状をICUからの連絡で初めて知り、最期に会うことも叶いませんでした。母は、どんな時でも私の味方であり、励まし続けてくれた存在でございます。日本での苦しい日々も、母の存在があったから乗り越えられました。その母に何も返せないまま、最後の言葉も交わせず、ただ、後悔と喪失だけが残りました。
2024年、私は広州で中国の無形文化遺産による手工芸ジュエリーと出会いました。その繊細で温かい作品を見た瞬間、毎朝ジュエリーを身につけていた母の姿がよみがえり、涙が溢れました。
その時、私は悟ったのです。
ジュエリーは、単なる装飾ではございません。それは、「記憶」を繋ぎ、「想い」を継ぐものなのだと。
日本という国は、古き良き文化と美を大切に保存してきました。中国では時代の変遷と共に消えかけた技術や文化も、この国では静かに、美しく息づいている。だからこそ私は、日本という土地に、母の記憶と、無形文化遺産工芸の美しさを届けたいと強く思いました。
母が愛した「東洋の美」。
西洋的なスタイルでは表現できない、しなやかで優雅な気品。それを今の時代に再び届けたい。そうして私は、中国の無形文化遺産工芸をルーツとしたジュエリーブランド
Godfrey&c を立ち上げる決意をいたしました。
Godfreyは私の名、cは母の姓「陳(Chen)」の頭文字。
このブランドには、母への敬意、感謝、そして永遠の想いが込められております。
Godfrey&cのジュエリーは、10年以上の経験を持つ職人の手で一つひとつ丹念に仕上げられた、「記憶を纏う」美のかけらでございます。